考え方・方針

当社グループの役員及び社員は、コンプライアンスについて法令遵守のみならず、企業倫理や社会的規範を守ることと捉え、厳格な職業倫理と高い見識、自己規律をもって行動することを求められており、その行動指針として「社会、人権、環境等に関する企業倫理」を制定し、これを基本な考え方・方針としています。

体制

当社グループのコンプライアンス推進体制は、持株会社である当社の監督・指示を基に、事業推進の主体である各事業会社に設置されているコンプライアンス会議を中心に構築されています。

持株会社においては、各事業会社に設置のコンプライアンス会議等の有効性、統制をモニタリングする機能を果たし、当社取締役会においてその状況を月次で報告を受けるとともに改善等を促すこととしています。 なお、取締役会メンバーである総務法務部門管掌役員が、グループ全体のコンプライアンスを担当しています。

事業に係るコンプライアンスは各事業会社内の体制で自律的に対応することが重要であるため、事業会社がコンプライアンス状況を常時確認・是正する場としてコンプライアンス会議(あるいは統制内容を網羅したチェック)を月次で開催しています。 当会議においては、労働局や労働基準監督署の指導状況の共有や取り組むべき課題、労働時間の削減、その他法令に関わる取り組みを適正に把握し、指示・推進しています。 さらに、人権、環境、情報管理、不正行為、内部通報等に関する項目のモニタリングも実施し、仮に重大な事案が生じる場合には迅速な状況把握と対策を行っています。 また、事業特性に基づく請負・委託等の取引については、独自のチェックリストを作成し、法令の定める指揮命令や安全衛生の確保について確認し、これらの請負事業所等に対して内部監査を行っています。

コンプライアンス体制の概要

コンプライアンス体制の図
コンプライアンス体制の図
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関係法令の改正等への対応や適正な運営の見直し

当社グループは複数の国で事業を展開しており、各々の国での関係法令遵守のために、法令の改正や公的機関による臨検への対応や結果について、必要な事業会社間で常に共有し、漏れが生じないよう事業会社間のリレーションを当社が統制しています。

また、法律の種類や事業特性に合わせた複数の法律事務所と顧問契約を締結し、常に新しい情報の入手と的確なアドバイスを得られる体制を構築しています。


労働関連法令

主事業である人材サービスは、労働基準法、労働者派遣法及び職業安定法等の法令の規制下にある事業であり、コンプライアンスへの取り組みが非常に重要であると考えています。

許認可の適正な維持のみならず、当社グループのパーパスである「幸せな仕事を通じてひとりひとりの可能性をひらく社会に」にも通じるように、「人」に関わる労働関連法令の遵守が、幸せな仕事や社員の安全衛生や健康、人権の尊重、リスク管理に寄与し、当社グループの持続可能な事業運営の前提となります。

具体的には、労働時間の管理、有給休暇の取得推進、労働災害の未然防止対策、雇用・契約条件の確認、ハラスメント防止、健康管理などについて、事業会社における関連部署と連携しながら各種施策を推進しています。


贈収賄・腐敗の防止

贈収賄および腐敗の防止に関して、当社グループの全ての役職員が遵守すべき「社会、人権、環境等に関する企業倫理」の中で、以下の項目を設けています。

4. 贈収賄防止

  • 現金、贈答品、寄付または政治献金など、賄賂の授受を行いません。 法律で禁じられている場合はもちろんのこと、業務上の意思決定に影響を及ぼすような接待の授受も行いません。
  • 贈収賄防止のため、新規取引時の事前調査、従業者教育、取引関係の監査および取締役会による監督を行います。

5. 腐敗防止

  • 市場原理を歪めるような取引を行わず、利益相反を生じさせる、またはその可能性のある一切の行為、関係または利害に関与しません。
  • 取引先や外注先等のステークホルダーとは公正、公平かつ誠実な取引を行い、ビジネスパートナーとして共存共栄を目指します。
  • 信用を維持するため、癒着ととられるような行動をせず、健全かつ透明な関係を保ちます。
  • 腐敗防止のため、新規取引時の事前調査、従業者教育、取引関係の監査および取締役会による監督を行います。

未然防止のために、コンプライアンス教育の一環として実施される年1回の内勤社員※を対象にした「コンプライアンス確認テスト」内に盛り込み、社員の理解・意識向上につなげています。 今後の更なる浸透に向け、受講対象者の拡大を図っていきます。

※内勤社員: 営業、採用、管理等の部門に就業 する従業者(契約社員等を含む)


反社会的勢力排除

当社グループは、暴力団対策法等の趣旨に則り、反社会的勢力からの不当な要求に応じることや反社会的勢力を利用する等の行為を行わないことを遵守事項として定めています。 また公益社団法人警視庁管内特殊暴力防止対策連合会及び管轄警察特殊暴力防止対策協議会に加入し、これらの主催する講習会等に参加して情報収集を行うとともに、反社会的勢力の排除体制を整備するための社員教育を実施しています。


インサイダー取引防止

内部者取引防止のためのルールを定め、業務分掌を行っています。 さらに未公表の重要事実を知りながら特定有価証券等の売買を行うことや、未公表の重要事実を第三者へ伝達する等の行為を禁止する等、インサイダー取引を未然に防止する教育を行っています。 また自己株式の売買に関してルールを定めて、売買不可の期間や事前届出などを規定しています。

関連データ
贈収賄・腐敗の事案 2023年6月期: ありません
反社会的勢力からの要求や利用等の行為 2023年6月期: ありません
インサイダー取引の事案 2023年6月期: ありません

コンプライアンス教育・研修

当社グループでは、コンプライアンスを維持・推進するうえで教育・研修は重要な取り組みであると考え、年1回の内勤社員※を対象にしたグループ会社一斉の「コンプライアンス確認テスト」を実施しています。 内容は、パーパスの理解を問うものから、企業倫理に関する問題や一般法令に関する問題などで構成されています。 また、コンプライアンスの理解を深めることを目的に、テーマ別に分かりやすく解説した資料も配布しています。

主なテーマ

  • コンプライアンスと当社グループの考え方
  • 環境や生物多様性
  • 反社会的勢力
  • 贈収賄・腐敗の防止
  • 人権
  • ハラスメント(パワハラ・セクハラ含む)
  • 適正な雇用・労働環境
  • 機密情報の管理
  • 個人情報保護
  • インサイダー取引
  • 著作権について
  • 当社ヘルプライン制度について

※内勤社員: 営業、採用、管理等の部門に就業 する従業者(契約社員等を含む)

関連データ
コンプライアンス教育実施率(2023年6月期): 100%

内部通報制度

当社グループは、業務執行上の違法の未然防止、不正行為等の早期発見及び迅速な対応を目的として、内部通報制度を設け、社員が常時アクセスできるようにしています。

内部通報は、通報の種類を妨げることなく、不正、人権、ハラスメント、漏洩、クレーム等に関して、社内で通報者にとって利害の生じない窓口のほか、外部の法律事務所を連絡先とする社外窓口を備え、適正な運営により、法令違反や規則違反の早期発見と未然防止を可能としています。


通報者保護

内部通報制度では、通報者が不利益を受けないよう、通報者の保護に関する規程(公益通報者保護規程)を定めるとともに、匿名での通報を可能とし、秘密保持を担保する体制を整備しています。

通報者保護に関しては、通報窓口利用者等が相談または通報したことを理由として、通報窓口利用者等に対して解雇(労働者派遣契約の解約、請負・委託契約の解除含む)、損害賠償請求、その他いかなる不利益な取り扱いもしないことを定めています(ただし、通報窓口利用者等が、虚偽・不正の目的の通報に該当する通報を行った場合を除く)。

また、通報窓口利用者等が相談または通報したことを理由として、通報窓口利用者等の職場環境が悪化することのないように、適切な措置をとるものとしています。 通報窓口利用者等に対して不利益な取り扱いや嫌がらせ等を行った者(通報窓口利用者の上司、同僚等を含む)がいた場合には、就業規則に従って、懲戒処分に課すことがあることも定めています。


通報窓口

通報窓口として、社員等からの通報及び相談を受ける内部窓口を各社の総務部門に一元化して設置し、窓口担当者として男女各1名以上を選任し、通報者は男女いずれかの窓口担当者を選択できるようにしています。 また、内部通報担当取締役(監査等委員)を監査等委員窓口とするほか、社外窓口として外部の法律事務所等を定めています。

通報窓口の利用方法は、電話、電子メール、FAX、書面、面会などの手段を設け、通報窓口ごとの利用方法は別に定めています。 ただし、当該利用方法以外により通報または相談が行われた場合であっても、通報窓口が利用されたものとして取り扱うこととしています。

また、通報窓口の利用対象者は、各社の業務に従事する全ての者と1年以内に退職・契約が終了した者(役員・従業員・パート・アルバイト、下請事業者やその取引先なども含む)として、幅広く門戸を広げるとともに、コンプライアンス教育の中で、本通報制度等の内容や利用方法を周知しています。

なお、本制度の利用実績や内容については、コンプライアンス会議を通じ定期的に取締役会に報告されています。 是正措置として、調査の結果、違法、不正・不当行為、人権侵害等が明らかになった場合には、当該法令違反行為等に関連する部門の担当役員もしくは部門長を責任者として、速やかに是正措置及び再発防止措置を講じるものとしています。

内部通報制度の概要

内部通報制度の図
内部通報制度の図
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関連データ
ヘルプラインや社内相談等の利用件数(2023年6月期): 36件
うち重大な内部告発数(2023年6月期): 0回

内部監査および違反等

当社及び当社グループ会社では、経営活動の全般にわたる管理・運営の制度および業務遂行状況の検証、独立にして客観的な評価及び効果的な助言・提案などを通じて内部管理体制の適切性と有効性の改善を図り、経営目標の効果的な達成及びグループの持続的成長と企業価値向上に資することを目的として内部監査を実施しています。 内部監査部が主体となり、以下の種類の監査を実施しています。

  1. 組織別監査: 本部※、営業拠点、事業会社等組織単位で検証を行う監査
  2. テーマ監査: 特定のリスク等について、業務、組織等を横断的に検証する監査
  3. 特命監査: 代表取締役からの特命事項として行う監査
  4. その他監査: 監査結果が著しく不芳な場合に改善状況を点検する監査など上記以外の監査

※本部: 本社管理・統括部署等

企業倫理やコンプライアンスの遵守状況、リスクマネジメント推進状況など、業務監査を中心に行うとともに、改善要求ならびに評価とフォローアップも実施しています。 監査結果については、取締役会及び監査等委員会の求めに応じてそれぞれに報告することとしています。

なお、2023年6月期において、事業活動に重大な影響を与えるような違反等の実績、懲戒処分等は確認されませんでした。


違反等の実績

項目 実績
人権関連 人権侵害はありませんでした。
環境関連 0件
情報漏洩事案
発生数
0件
許認可にかかる
重大な勧告数
0回
贈収賄、刑事告発、
巨額の訴訟数
0回